不動産売買契約書を作成する
売買契約書の作成
- 売買契約は本来、売渡人と買受人の合意のみで締結できますが、売買契約書に売買代金の総額と契約金、中間金、残金の支払日等を明確に記載すると、不必要な法的紛争を未然に防ぐことができます。
賃貸借契約書を作成する
賃貸借契約書の作成
- 賃貸借契約は原則的に契約当事者が自由に契約期間または契約金を定めるもので、必ずしも賃貸借契約書を作成しなければならないというわけではありませんが、後に発生しうる紛争を前もって予防するためには、賃貸借契約書の作成をお勧めします。
※ 契約書の作成要領
① 契約書の内容の内、一部の文言を訂正する場合は赤で二本の線を引き、欄外に訂正するという記載をして、訂正印(双方)を押さなければなりません。
② 契約書の枚数が2枚以上の場合、2つの紙面にまたがらせて当事者双方の契印を押します。
③ 不動産の表示欄には詳しく記載します。簡略すぎる表示をしてしまった場合、登記申請ができないこともあります。したがって、登記権利証に表示された内容をそのまま記しておきますが、スペースが狭く書き切れない場合は[裏面を参照]、[別紙を参照]等と記載し、裏面または別紙目録に記載します。
④ 金額はアラビア数字で記載せず、漢字(壱、弐、参)等を用いて書きます。その際、スペースを開けずに「金」のすぐ隣に続けて書きます。
⑤ 売買代金や賃借保証金額を一括払いにするか、中間金のない場合は必ず「該当しない」と書いてください。
⑥ 残金の受領と所有権移転登記申請書の交付または住宅の移転は当事者の特約のない限り、同時に履行しなければなりません。
⑦ 最後の契約条項として、相互に誠意をもって最初から最後まで約束を守ることを誓約するという内容の「信義誠実の原則」条項を記載します。
⑧ 契約条項を記載し終わった後、最後に契約について契約当事者が異議のないことを確認し、書名または捺印し、契約書を売渡人・買受人または賃貸人・賃借人、仲介業者がそれぞれ1通ずつ保管します。
⑨ 当事者の表示は住民登録証に記された正確な内容を記載します。
⑩ 氏名欄は本人が直接作成し、捺印またはサインをします。
契約金の支払い
契約金の法的性格
- 「契約金」とは、不動産の売買契約または賃貸借契約を締結する場合、契約を成立させるために本契約の前に買受人または賃借人が相手方に支払う金額のことで、売買契約または賃貸借契約が締結したという証拠となります。通常、売買代金または賃貸借の保証金の約10%を支払います。
契約に問題が発生した場合の賠償金
- 買受人または賃借人が契約金を支払った状態で問題が発生し、契約を解除することとなった場合、①別途の約定のない場合に限り、②契約履行に着手するまで契約金を放棄し、売買契約または賃貸借契約を解除することができます(「民法」第565条第1項)。
- 売渡人または賃貸人が契約金を支払った状態で問題が発生し、契約を解除しようとする場合、①別途の約定のない限り、②契約履行に着手するまで、契約金の倍額を償還し、売買契約または賃貸借契約を解除することができます(「民法」第565条第1項)。