少額事件審判
少額事件審判の意義
- 少額事件審判とは、民事事件の中でも紛争の金額が3,000万ウォン以下の事件の場合、別の民事事件の訴訟より簡単に訴訟を提起して訴訟を行うことのできる制度のことをいいます(「少額事件審判」第2条第1項及び「少額事件審判規則」第1条の2)。
- 少額事件の迅速な処理のため、1回の弁論期日で審理を終わらせ、直ちに宣告することができるようにしています。ただし、裁判所が履行勧告決定を行う場合、直ちに弁論期日を定めず、一旦、被告に履行勧告決定謄本を送達した後、異議のある場合のみ弁論期日を指定し、裁判を行います(「少額事件審判法」第5条第3項、第5条の4及び第7条第2項)
- 当事者の配偶者、直系血族、兄弟姉妹は裁判所の許可なく訴訟代理人になることができます(「少額事件審判法」第8条)。
少額事件審判の対象
- 少額事件審判は紛争金額が3,000万ウォン以下の金銭、またはその他の同一種類のものに代替できる代替物または有価証券の支払いを目的とする第1審の民事事件を対象とします(「少額事件審判法」第2条第1項及び「少額事件審判規則」第1条の2)。
- 紛争総額が3,000万ウォンを超える事件について、それを分割して請求することは認められません(「少額事件審判法」第5条の2及び「少額事件審判規則」第1条の2本文)。
※ 例えば、紛争金額が4,000万ウォンの場合、紛争金額を3,000万ウォンと1,000万ウォンに分割し二回に分けて少額事件審判を請求することは不可能です。
少額事件審判の手続き
少額事件審判の提起
- 少額事件審判を希望する消費者または消費者の配偶者・直系血族・兄弟姉妹(以下、「原告」と略す。)は、書面または口頭により少額事件審判を提起することができます(「少額事件審判法」第8条及び「少額事件審判規則」第3条)。
被告に対する履行の勧告
- 訴訟が提起されると、裁判所は被告(ここでは事業者)に訴状の副本または提訴調書謄本等を添付し、原告の請求の趣旨通り履行することを勧告することができます(「少額事件審判法」第5条の3)。
- 履行の勧告を受けた被告が2週間以内に異議申し立てをすると、弁論期日を定め、少額事件審判の手続きが進みます(「少額事件審判法」第5条の4)。
※ ①被告が上記期間内に異議申し立てを行わない場合、②異議申し立てに対する却下の決定が確定した場合、または③異議申し立てが取り下げられた場合、上記の履行勧告決定は確定判決と同等の効力を有します(「少額事件審判法」第5条の7第1項)。
弁論
- 弁論は普通1回のみ行われ、その弁論期日に裁判官は訴訟当事者と関係者を尋問します。その時、裁判官が相当であると認める場合、書面を代わりに提出させることができます(「少額事件審判法」第7条、第10条及び「少額事件審判規則」第6条)。
判決の宣告
- 弁論が終わると、判決が直ちに宣告されることがあります(「少額事件審判法」第11条の2)。