債権者の債権請求
債権者は弁済期になると、債権を請求することができます。
- ただし、債権者の債権請求は債権が消滅時効により消滅する前に行わなければなりません(「民法」第162条以下を参照すること)。
債権請求は口頭でも可能ですが、通常、内容証明または配達証明を同時に行います。
- 「内容証明」とは、登記郵便として扱われることを前提に、郵便局の窓口または情報通信網を通じて、差出人が受取人にどのような内容の文書をいつ発送したという事実を、郵便局が証明できる特殊取扱制度のことをいいます(「郵便法」第15条第3項及び「郵便法施行規則」第25条第1項第4号カ目)。
- 「配達証明」とは、登記郵便として扱われることを前提に、郵便物の配達日付及び受取人を配達郵便局が証明し、差出人に通知する特殊取扱制度のことをいいます(「郵便法」第15条第3項及び「郵便法施行規則」第25条第1項第4号ダ目)。
※ 内容証明や配達証明にはどのような利点がありますか。
- 内容証明とは、差出人が発送日付に内容証明書に記載された内容を、受取人に発送したことを証明する制度のことです。
- 内容証明制度は記載された内容の真実を推定するものではありませんが、その内容の事実を郵便局が証明する制度なので、内容の発送事実、発送日付及び伝達事実まで証明できます。
- 債権者が弁済期に債権を請求し、同時に内容証明の方法を取る場合は、債権者の債権請求事実が郵便局により証明されます。これは債権が消滅時効の満了により消滅するかどうかを決定する重要な役割を果たします。
- 配達証明は内容証明証書を受取人が受け取ったことを証明します。
内容証明の作成
内容文書の作成基準
- 内容文書の原本及び謄本は「行政業務の運営および革新に関する規定」第7条第6項により横210㎜、縦297mmの用紙(以下「基準用紙」という)を用いて作成し、謄本は内容文書の原本をコピーしたものでなければなりません(「郵便法施行規則」第49条第1項)。
- 内容文書の原本または謄本の文字または記号を訂正・挿入または削除した時は、「訂正」・「挿入」、または「削除」の文字及び字数を欄外または末尾の余白に記載の上、そこに差出人の印章もしくは拇印を押印し、または署名(サイン)しなければなりません(「郵便法施行規則」第50条第1項)。
- 内容証明郵便物の内容文書の原本、その謄本及び郵便物の封筒に記載する差出人及び受取人の氏名・住所は同じでなければなりません(「郵便法施行規則」第51条第1項)。
内容証明の作成方法
- A4用紙を基準に、5W1Hを明確にして伝えるべき内容を分かりやすく作成します。
- 内容証明書の上段または下段に差出人と受取人の住所と氏名を記します。
- 作成された内容証明書は通常、3部が必要です。
· 1通は原本とされ、2通は謄本とされます。
- 内容証明書の封筒に、内容証明書に書いた差出人と受取人の住所と氏名と同一の内容を書きます。
実際の内容証明の作成例
[内容証明の作成例]
貸付金弁済請求書
1. 私は、2014. 3. 1.、あなたに金1,500万ウォンを年30%の利息付きで弁済期限を2015.2.28とし、貸し付けた事実があります。
2. 弁済期日の2015. 2. 28が過ぎており、私が数回にわたって弁済を督促したにもかかわらず、あなたはまだ元利金を弁済していません。
3. 2015. 5. 31までに弁済しなければ、法的措置を取ることを通知します。
2015. 4. 1.
通知人:キム・デハン(700101-123 OOOO)
ソウル市 城東区 ヨンムジャン7ギル OOアパートOO棟OO号
被通知人:イ・ミングク(650101-134 OOOO )
ソウル市 鍾路区 チョンノ1ギル OOビル
内容証明の手続
内容文書の原本及び謄本の提出
- 内容証明郵便物を発送しようとする者は、内容文書の原本及びその謄本2通を提出しなければなりません(「郵便法施行規則」第48条第1項)。
- 同文内容証明の郵便物の場合は、各受取人・内容文書の原本と受取人の全部の氏名及び住所を記した謄本2通を提出しなければなりません(「郵便法施行規則」第48条第2項)。
- 提出を受けた謄本のうち、一通は郵便局から発送した翌日から3年間保管し、残りの一通は差出人にそれを返却します。ただし、差出人が謄本を必要としない時は、一通の謄本のみを提出することができます(「郵便法施行規則」第48条第3項)。
内容文書の受付及び証明
- 内容証明郵便物の受付は受付郵便局において内容文書の原本と謄本を照合して原本と相違ないことを確認し、内容文書の原本と謄本のそれぞれに発送年月日及びその郵便物を内容証明郵便物として発送するという旨と郵便局名を記載し、通信日付印を押す方法により行われます(「郵便法 施行規則」第52条第1項)。
- 受取人に発送する内容文書の原本、郵便局が保管する謄本及び差出人に交付する謄本との間には、通信日付印で契印をします(「郵便法施行規則」第52条第2項)。
- 内容文書の原本または謄本が2枚以上綴られる部分と内容文書の原本または謄本の訂正・挿入または削除に関する記載をした箇所には通信日付印が押されます(「郵便法施行規則」第52条第3項)。
- 手続を踏んで受付・証明された内容文書の原本は、郵便局の係員の立会いのもと、差出人が受取人及び差出人の氏名・住所を書いた封筒に入れて封をします(「郵便法施行規則」第52条第4項)。
内容証明の再証明及び謄本閲覧の請求
- 内容証明郵便物の差出人または受取人は、内容証明郵便物を発送した翌日から3年までは発送した郵便局に対し、特殊郵便物受領証・住民登録証等の関係資料を提示することで、同じ郵便物の差出人または受取人であることを立証し、内容証明の再証明を請求することができます(「郵便法施行規則」第54条第1項)。
- 再証明の請求人は郵便局が保管している最初の内容文書の謄本と同じ謄本を郵便局に提出しなければなりません。再証明の請求を受付けた郵便局は、請求人が提出した内容文書を再証明して返却します。ただし、請求人が紛失等の理由で内容文書を提出できない場合は、郵便局が保管している内容文書をコピーした後、再証明して返却することができます (「郵便法施行規則」第54条第2項)。
- 内容証明郵便物の差出人または受取人は郵便物を発送の翌日から3年までは発送した郵便局に特殊郵便物受領証・住民登録証等の関係資料を提示し、同じ郵便物の差出人または受取人であることを立証し、内容文書の謄本の閲覧を請求することができます(「郵便法施行規則」第55条)。
配達証明の手続
配達証明の表示
- 配達証明郵便物には差出人がその表面の見やすいところに「配達証明」と表示しなければなりません(「郵便法施行規則」第57条)。
配達証明書の送付
- 配達証明郵便物を配達した時は差出人に配達証明書を郵便により送付します。ただし、差出人が希望する場合は情報通信網を通じて電磁的方法により送付することができます(「郵便法施行規則」第58条)。
発送後の配達証明の請求
- 登記郵便物の差出人または受取人は、郵便物を発送した翌日から1年までは郵便局に当該の特殊郵便物受領証・住民登録証等の関係資料を提示し、同じ郵便物の差出人または受取人であることを立証し、その配達証明を請求することができます。ただし、内容証明郵便物に対する配達証明の請求期間は郵便物を発送した翌日から3年までとします(「郵便法施行規則」第59条)。
※ 内容証明・配達証明を受け取った債務者は、どうすればいいですか。
- 金銭取引において債権者が債務弁済の督促を内容とする内容証明を送るとしても、その内容証明書が必ずしも真実の事実を立証するものではありません。したがって、債務者がそれを否定しなかったとしても、法律的により不利益を被るわけではありません。
- しかし、債権者は内容証明により法的手続を踏んだことを表明しているので、法律専門家の助言に従い、それに対抗するための法的措置を講じなければなりません(
大韓法律救助公団)。
※ 郵便局の内容証明・配達証明サービス
- 郵便局の内容証明・配達証明サービスは営業時間に郵便局を訪れるか、
インターネット郵便局により24時間利用することができます。