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金銭取引
保証契約
意義
- 「保証契約」とは、他人の債務を保証するとして債権者と保証人が結ぶ債権担保契約のことをいいます。
- 保証債務とは、債権者と保証人との間の保証契約により成立する債務のことで、主たる債務者がその債務を履行しない場合、保証人がそれを補完して履行する債務のことをいいます(「民法」第428条第1項)。
担保の範囲
- 保証債務の担保の範囲は債権者と保証人との間の保証契約の内容により決められますが、特別な意思表示のないかぎり、主たる債務元本だけでなく、主たる債務の利息、違約金、損害賠償、その他の主たる債務に従属した債務を含みます(「民法」第429条第1項)。
· 保証債務の履行を確保するため、保証人と債権者はその保証債務に関する違約金、その他の損害賠償額を予定することができます(「民法」第429条第2項)。
保証人の条件
- 債務者が保証人を立てる義務がある場合は、その保証人は行為能力及び弁済資力がある者でなければなりません(「民法」第431条第1項)。
- 保証人に弁済資力がなくなった場合は、債権者は保証人の変更を請求することができます(「民法」第431条第2項)。
- 債務者は別の相当の担保を提供することで保証人を立てる義務を免れることができます(「民法」第432条)。
主たる債務者に起こった事由の効力
- その原因の如何にかかわらず、主たる債務が消滅すると、保証債務も消滅します。
- 主たる債務者に対する債権が譲渡された場合、債権者(譲渡人)が持つ保証人への債権も、当然に譲受人に移転されます。
- 主たる債務者に対する消滅時効中断は、保証人に対しても効力を有します(「民法」第440条)。
保証人の求償権
- 保証債務を履行した保証人は金銭消費貸借契約上の主たる債務者に対し、求償権(債務を弁済した者が債務当事者に弁済を請求できる権利)を行使することができます。
- 主たる債務者に頼まれて保証人となった者(以下、受託保証人と略す。)は、過失なく弁済その他自らの出財により主たる債務を消滅させたときは、主たる債務者に対し、求償権を有します(「民法」第441条第1項)。
· 主たる債務の全部が消滅する必要はないので、受託保証人は主たる債務の一部のみ消滅した場合でも、その限度内で求償権を有します。
· 受託保証人が有する求償権の範囲は主たる債務が消滅した日以降の法定利息及び避けることができなかった費用、その他の損害賠償を含みます(「民法」第441条第2項及び第425条第2項)。
· 受託保証人の求償権の行使は、自らの出財により主たる債務が消滅した後に行うのが原則です(「民法」第441条第1項)。
· 主たる債務者に対する事前または事後の免責通知を行わなかった場合、保証人の求償権行使は制限されることがあります。
- 主たる債務者に頼まれたのではなく保証人となった者は、弁済その他自らの出財により主たる債務を消滅させた場合、主たる債務者がその当時利益を受けた限度内で、主たる債務者に対する求償権を有します(「民法」第444条第1項)。
- 主たる債務者に頼まれなかっただけでなく、その意思に反して保証人となった者は、弁済、その他の自らの出財により主たる債務を消滅させた場合、主たる債務者の現存利益の限度内においてのみ、主たる債務者に対する求償権を有します(「民法」第444条第2項)。
保証契約書
- 保証契約は金銭消費貸借契約を締結する際に、同時に締結することもできますが、別途に締結することも可能です。