契約前の注意事項
情報収集
- 賃借住宅に関する情報は学校の掲示板、地域の広告紙、開業した公認仲介士などを通じて得ることができます。開業した公認仲介士を通じて部屋を借りる場合は、住宅賃借関連の法的事項の確認、直接訪問などの手続きを代行してくれるので便利ですが、仲介料を支払わなければなりません(「不動産取引申告に関する法律」第32条第1項本文)。
登記事項の確認
- 気に入った部屋をいくつかピックアップしたら、取引の安全のために、その住宅の登記記録に記載されている事項を閲覧し、またはそれを証明する登記事項証明書の発給を受け、不動産に関する表示並びに所有権、地上権、地域権、伝貰権、抵当権、賃借権などに関する事項を確認してください(「不動産登記法」第3条及び第19条)。
- 登記記録の閲覧や登記事項証明書の発給は、登記所、区庁または大法院のインターネット登記所ホームページ(
www.iros.go.kr)を通じて受けることができます[「不動産登記法」第19条、「不動産登記規則」第26条から第32条まで及び「インターネットによる登記記録の閲覧などに関する業務処理指針」(大法院登記例規第1761号, 2
022. 12. 14. 発令, 2022. 12. 16. 施行)]。
各種台帳の確認
- アパートでない場合は、不動産登記簿以外にも、土地台帳、建築物台帳などの確認を通じて賃借しようとする住宅の表示内容が不動産登記簿の内容と一致しているかどうかを確認し、その住宅の用途地域の地区、これから開発計画があるかどうかなどを確認しておきましょう。
- 土地台帳と建築物台帳は当該の市・郡・区庁または政府24ホームページから確認することができます(「建築法」第38条及び「建築物台帳の記載及び管理などに関する規則」第11条第1項・第8項)。
現地確認
- 不動産登記簿を確認した後は、直接物件を訪れ、当該の住宅を目で見て住居環境、保存状態、占有状況、瑕疵、周辺環境などを確認し、賃借するかどうかを判断しましょう。
契約当事者の確認
- 住宅賃貸借契約は不動産登記簿に記載された賃借住宅の所有者と締結しないと、後に紛争の余地がありますので注意しましょう。
- したがって、住宅賃貸借契約を締結する前に契約の相手が不動産登記簿上の本人なのかどうかを身分証などで確認し、その代理人の場合は、身分証以外にも委任状及び所有者の印鑑証明書を確認しなければなりません。
契約
契約書の作成及び契約金の支払い
- 住宅賃貸借契約書は賃貸人(部屋を貸す側)と賃借人(ここでは外国人留学生)がいっしょに作成します。賃貸借契約書を作成する時は取引当事者の個人情報、賃借目的物、賃借金額、賃借料の支払い日、賃貸借期間、その他条件などを明示しなければなりません(「公認仲介士法」第26条第1項及び「公認仲介士法施行令」第22条第1項)。
- 賃貸借契約を締結する時は、通常、賃借保証金の10%に該当する金額を契約金として支払うのが慣例です。この契約金は契約の履行前に賃貸借契約が解除された場合、相手への損害賠償額の算定基準となります(「民法」第398条第4項及び第565条第1項)。
残金の支払い及び入居
- 残金は一般的に入居日に支払います。残金を支払う時は不動産登記簿をもう一度確認し、賃貸借契約を行った後、不動産権利関係に変動がないかを確認してください。
入居後の注意事項
居住地変更届
- 賃借住宅が引き渡され、転入届を出した場合、別に登記を行わなくても、その日以降から第三者に対する対抗力が発生します(「住宅賃貸借保護法」第3条第1項)。つまり、「住宅賃貸借保護法」の適用対象となり、競売などの問題が発生した時、法的に保護を受けることができます。
※「対抗力」とは、賃借人が第三者(賃借住宅の譲受人、賃貸する権利の承継者、及びその他賃借住宅について利害関係を持つ者)に賃貸借の内容を主張することのできる法律上の力のことをいいます(「住宅賃貸借保護法」第3条第1項)。
- 「住宅賃貸借保護法」の保護対象は、韓国国籍を持つ自然人なので、外国人は原則的に「住宅賃貸借保護法」の保護対象にはなれません(「住宅賃貸借保護法」第1条)。しかし、住宅を賃借した外国人が転入届に準ずる居住地変更届を出した場合、例外的に「住宅賃貸借保護法」の保護対象となります(「出入国管理法」第88条の2第2項及びソウル民事地方法院1993.12.16.宣告93カ合73367第11部判決:確定)。
- したがって、賃借住宅に入居した時、その転入日から15日以内に新しい居住地の市·郡·区(自治区ではない区を含む)又は邑・面・洞の長、またはその居住地を管轄する出入国管理事務所長・出入国管理事務所出張所長に必ず居住地変更届を出さなければなりません(「出入国管理法」第36条第1項)。
※ これに違反して居住地変更届を出さない場合は、100万ウォン以下の罰金に処せられます(「出入国管理法」第98条第2号)。
確定日付を受ける
- 確定日付とは、証書が作成された日付に住宅賃貸借契約書が存在することを証明するために法律上認定を受けたものをいいます。賃貸借契約書上に確定日付を受け、上記の対抗条件[住宅の引き渡し+転入届出(居住地変更届出)]を備えれば、優先弁済権を取得したことになります(「住宅賃貸借保護法」第3条の2第2項)。
※ 「優先弁済権」とは、賃借住宅が「民事執行法」による競売または「国税徴収法」による公売に付された時、その売却代金から他の後順位の抵当権者に優先し、賃借保証金の弁済を受けることのできる権利のことをいいます(「住宅賃貸借保護法」第3条の2第2項)。
- 確定日付は①地方法院(支院を含む)·登記所または公証事務所(公証者·公証認可法務法人合同法律事務所のことをいう)から受けることができ、②邑・面・洞の長に転入届を出すと同時に受けることもできます[「公証者法」第77条の2第2項、「住民登録法施行令」別紙第15号書式注意事項欄、「私文書の日付確定業務処理に関する例規」第2条]。