韓国の教育システム
小学校·中学校·高等学校の教育課程
- 修業年限
· 特殊目的で設立された学校の場合はその趣旨により教育期間が異なることもありますが、一般的に小学校6年→中学校3年→高等学校3年の課程によって構成されています(「小等・中等教育法」第39条、第42条及び第46条本文)。
- 入学資格
· 中学校または高等学校のような上位の教育課程に入学するためには、前段階の学校を卒業しているか、法令によりそれと同等レベル以上の学歴があると認められる必要があります。
· たとえば、中学校は小学校を卒業した者、「小等·中等教育法」第27条の2第1項により小学校を卒業した者と同等の学歴が認められる試験に合格した者、その他の法令によりそれと同等レベル以上の学歴があると認められる者のみ入学することができます(「小等・中等教育法」第43条第1項及び第47条第1項)。
- 学期
· 小等·中等教育課程の学年度は毎年3月1日から始まって翌年2月末日に終了し、1つの学年度では2つの学期制が実施されています(「小等·中等教育法」第24条及び「小等·中等教育法施行令」第44条第1項)。
· 第1学期は3月1日から学校の授業日数·休業日及び教育課程の運営を考慮し、学校の長の定める日までとし、第2学期は第1学期の終了日の翌日から翌年2月末日までとします(「小等·中等教育法」第24条第4項及び「小等·中等教育法施行令」第44条第1項)。
大学·大学院の教育課程
- 修業年限
· 高等教育を実施するための学校としては大学、産業大学、教育大学、短期大学、遠隔大学(放送大学·通信大学·放送通信大学及びサイバー大学)、技術大学、その他各種学校があります(「高等教育法」第2条)。
· 修業年限は学校別に次のとおりです(「高等教育法」第31条、第38条、第42条第2項、第48条第1項、第53条第2項·第3項、第56条、「高等教育法施行令」第25条及び第57条)。
学校の種類
|
修業年限
|
根拠法令
|
大学
|
4年[但し、医科大学·韓医科大学·歯科大学·獣医学科·薬科大学(韓薬学科は除く)の場合、6年]
|
「高等教育法」第31条第1項及び「高等教育法施行令」第25条
|
産業大学
|
制限無し
|
「高等教育法」第38条
|
教育大学
|
4年
|
「高等教育法」第42条第2項
|
短期大学
|
·専門職学位課程:2年[但し、 看護科·放射線科·臨床病理科·物理治療科·歯科技工科·歯科衛生科·作業治療科·漁業科·機関科及び学校の定めた学科の場合は3年] ·専門技術の修士学位課程:2年以上
|
「高等教育法」第48条第1項及び「高等教育法施行令」第57条
|
遠隔大学
|
放送大学·通信大学 ·放送通信大学
|
·専門学士課程:2年 ·学士課程:4年
|
「高等教育法」第53条第2項
|
サイバー大学
|
·専門学士課程:2年以上 ·学士課程:4年以上
|
「高等教育法」第53条第3項
|
技術大学
|
·専門学士課程:2年 ·学士課程:2年
|
「高等教育法」第56条
|
大学院
|
·修士課程:2年以上 ·博士課程:2年以上 ·修士課程と博士課程の統合課程:4年以上の修士課程と博士課程の修業年限を合わせた年限以上
|
「高等教育法」第31条
|
- 入学資格
· 大学に入学するためには高等学校を卒業するか、または法令によりそれと同等以上の学歴があると認められなければなりません(「高等教育法」第33条第1項)。
※ 但し、技術大学の専門学士課程に入学するためには上記以外にもさらに1年6ヶ月以上生産業者での勤務経歴が必要であり、学士課程に入学するためには短期大学の卒業または法令によりそれと同等以上の学歴を備えること以外にも、6ヶ月以上生産業者での勤務経歴が必要です(「高等教育法」第57条及び「高等教育法施行令」第65条)。
· 学士課程と修士課程の統合課程に入学するためには高等学校を卒業しているか、法令によりそれと同等以上の学歴があると認められるか、あるいは当該の大学に在学中の者で、学則に定められた基準を満たした者でなければなりません(「高等教育法」第33条第2項)。
· 大学院の修士課程、修士課程と博士課程の統合課程に入学するためには学士の学位を持っているか、法令によりそれと同等以上の学歴があると認められる者でなければなりません(「高等教育法」第33条第3項)。
· 大学院の博士課程に入学するためには修士の学位を持っているか、法令によりそれと同等以上の学歴があると認められる者でなければなりません(「高等教育法」第33条第4項)。
- 学期
· 高等教育課程の学年度は毎年3月1日から始まって翌年2月末日に終了し、2学期乃至4学期制が実施されています(「高等教育法」第20条及び「高等教育法施行令」第10条)。
- 各学期は大学·大学院の学則により決まります(「高等教育法」第20条第2項及び「高等教育法施行令」第10条)。
外国人留学生向けの教育課程
正規の教育課程
- 正規の教育課程とは、韓国の学生が一般的に学ぶカリキュラムを同じく履修することをいいます。正規の教育課程への入学は、前述した入学条件(つまり、前段階の教育課程を履修するか、法令上それと同等の学歴を備えること、学校の定める入学基準を満たすこと)を満たす場合は、正規の教育課程への入学を志望することができます。たとえば、韓国の大学へ入学するためには高等学校を卒業しているか、またはそれと同等以上の学歴を持っていることが、韓国の法律により認められていなければなりません。
- しかし、外国人留学生がすべての正規の教育課程に入学できるわけではありません。放送大学、通信大学、放送通信大学、サイバー大学は、遠隔大学という設立の目的に則って、外国人留学生の入学を認めていません(「高等教育法」第52条)。
短期の教育課程
- 短期の教育課程とは、一学期乃至二学期、または休みを利用した季節学期という形で、正規の教育課程の一部のみ履修することをいいます。短期の教育課程は、入学しようとする学校に直接志願する方法より、外国の学校(留学を希望する学生が本国で通う学校をいう)と学術交流協定を結んだ韓国の学校(以下、「姉妹校」という)に交換学生の形で訪れることが多いです。学術交流協定が結ばれた学校間では入学手続き、単位の認定、奨学金などの面で優遇されることが多いので、短期の教育課程を希望する学生は、在学中の学校の姉妹校を調べておくのも良いでしょう。
韓国語の研修課程
- 韓国語の研修課程は、韓国語の習得を目的とする課程のことであり、外国人が対象となります。韓国語の研修課程は、おおよそ10週以上の長期課程と4週以下の短期課程により分けられますので、必要によって課程を選び、入学することができます。