相続回復請求権
相続回復請求権の概念
- 「相続回復請求権」とは、相続権が表見相続人により侵害された場合、相続人またはその法定代理人がその侵害の回復のために持つ請求権のことをいいます(「民法」第999条第1項)。
※ 「表見相続人」(または僭称相続人)とは、相続人ではないのに相続人を自称し、相続財産の全部または一部を占有する者をいいます。つまり、法律上相続権がないにもかかわらず、実質的に相続人としての地位を保持している者で、相続人でない者が故意に相続財産を占有し、または相続欠格者が相続人になった場合が該当します(出典:韓国法制研究院法令用語検索)。
相続回復請求権の行使方法
相続回復請求権の行使期限の性質
- 相続回復請求権は、相続権の侵害を知った日から3年、相続権の侵害行為があった日から10年の除斥期間を定めており、この期限は提訴期間とします。したがって、除斥期間に不利益を被らないためには、必ず相続回復請求の訴えを提起する必要があります。
※ 「除斥期間」とは、法律の権利関係を迅速に確定するためにある種の権利について法律が定める存続期限のことをいいます。この期限が過ぎると、権利は消滅します(出典:国立国語院、標準国語大辞典)。
裁判上の行使
- 相続回復請求の裁判上請求は、民事訴訟手続きに従います。
· 裁判上請求がある場合、訴えの管轄は被相続人の住所地の裁判所に属します(「民事訴訟法」第22条)。
相続回復請求権者と相手方
相続回復請求権者
- 相続人と法定代理人は、相続回復を請求することができます。
- 包括遺贈を受けた受贈者も、相続回復を請求することができます。
相手方
- 相続回復請求の相手方は、表見相続人です。
相続回復請求権の行使期限
相続回復請求権の行使期限
- 相続回復請求権は、その侵害を知った日から3年、相続権の侵害行為があった日から10年を経過すると消滅します(「民法」第999条第2項)。
· 「侵害を知った日から3年」は、単に相続開始の事実を知っただけでなく、自分が真正相続人であることを知り、相続から除外された事実を知ったときから、その期間を起算します(大法院1981年2月10日宣告79タ2052判決)。
相続回復請求の効果
相続回復請求の効果
- 原告の勝訴判決が確定すれば、被告(表見相続人)は、その判決のとおり真正相続人に相続財産を返還する必要があります。