継続勤務期間の計算
継続勤務期間の概念
- 「継続勤務期間」とは労働契約の締結から解約までの期間を意味し、期間の定めがある労働契約の場合は契約期間の満了によりその雇用関係は終了するのが原則です[雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」38面及び行政解釈(雇用差別改善課-2457、2013年12月6日、雇用労働部)]。
- 上記により継続勤務期間が1年以上の労働者、4週間の平均で所定労働時間が週15時間以上の労働者は、退職給付を受け取ることができます(「労働者退職給付保障法」第4条第1項ただし書き)。
Q1. 契約期間が今年1月2日から来年1月1日(休日)までの場合、退職給付はもらえますか。
A1. 労働契約期間が決まっている場合、1月1日は労務の提供義務が免除される日(事業場の休日)のため、労務を提供できなかったとしても労働関係の存続期間とみなすべきであり、労働者の退社日は1月2日になりますので、雇用主は労働者に退職金を支給しなければなりません(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」47面参照)。
Q2. 休職期間も継続勤務期間に含まれますか。
A2. 「継続勤務期間」とは同じ雇用主と継続的に使用従属関係を維持しながら労務を提供することをいい、雇用主の承認を得て一時的に休職状態にあるときもこれに含まれます。ただし、私的留学など個人的な事由による休職期間については、団体協約または就業規則などで退職金計算上の継続勤務期間に算入しないと規定している場合があります(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」57面参照)。
Q3. 見習い(インターン)期間も継続勤務期間に含まれますか。
A3-1. 見習い(インターン)期間に会社と使用従属関係を維持しながら労務を提供した場合は、その期間も退職金計算上の継続勤務期間に含めなければなりません(光州地裁2004年4月18日宣告、2002ガ単1180判決)。
A3-2. 見習いまたはインターンとして採用された人がのちに正社員となり、間を空けずに続けて勤務した場合のように、勤続期間中に労務提供形態の変更がある場合も、見習いまたはインターンとしての勤務期間と正社員としての勤務期間を通算した期間を退職金計算上の継続勤務期間とみなさなければなりません(大法院1995年7月11日宣告、93ダ26168判決)。
継続勤務期間の更新または繰り返し
- 労働契約が満了すると同時に労働契約期間を更新し、または同じ条件の労働契約を繰り返し締結した場合は、更新または繰り返した契約期間を通算して継続勤務期間を計算しなければなりません(大法院1995年7月11日宣告、93ダ26168判決)。
- 更新または繰り返し締結された労働契約の間に一部空白期間があるとしても、その期間が全体労働契約期間に比べて長くなく、季節的な要因や長期休み期間(例:夏休み)など当該業務の性格に起因し、または待機期間·リフレッシュ期間などの都合により、その期間中に労務を提供しない、または賃金を支払わない相当の理由があると認められる場合、労働関係の継続性はその期間中も維持されます(大法院2006年12月7日宣告、2004ダ29736判決)。
継続勤務期間に係る事例
日雇い労働者の継続勤務期間計算方法
- 「日雇い労働者」とは、1日単位の契約で雇用され、その日の労務終了をもって労働契約も終了し、継続的な労働関係が維持されない者のことをいいます(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」40面)。
- 名目上の日雇い労働者であっても、工事現場などで期間の定めなく雇用されて通常の労働関係が相当期間継続し、特別な事情がない限り工事完了時までの継続勤務が予定されている場合、工事完了時まで雇用関係は続くとみることができます(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」40面)。
- 1週間の所定労働時間が15時間以上と未満の繰り返しになる場合は、労働者が退職する日を基準にして継続勤務期間を計算しますが、継続勤務期間は在職期間全体のうち所定労働時間が週15時間未満の期間を除いた期間とします(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」41面)。
- 建設日雇い労働者の働く工事現場が変わっても継続勤務として認められ、その期間が1年以上なら、退職金は労働者が最後に働いた工事現場を退職するときに支給するのが原則です(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」41面)。
営業譲渡時の継続勤務計算方法
- 「営業譲渡」とは、一定の営業目的のために組織された総体としての人的·物的組織を、その同一性を保ちながら一体として移転することをいいます。この場合、労働者の労働関係は原則として営業を譲り受ける企業に包括的に承継され、勤務の継続性は保たれます(大法院2005年2月25日宣告、2004ダ34790判決)。
※ A社とB社の間に営業の譲渡·譲受などに関する明示的·黙示的合意があったかどうか、A社の負債、債権·債務などを引き継ぐかどうかなどの事実関係を判断し、営業の譲渡·譲受に該当すればA社に勤務した期間はB社における退職金計算上の継続勤務期間に含まれます(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」51面)。
- 企業が事業部門の一部を譲渡し、事業を譲渡·譲受する企業の経営方針による一方的な決定に従って退職と再入社を形式的に行ったにすぎないのであれば、その過程で退職金を支給されたとしても、労働者に労働関係を断絶する意思があったとはいえないため、労働関係は断絶していないとみることができます。このような場合、最終的に事業を譲り受けた企業を労働者が退職すれば、その企業は事業を譲渡した企業における勤続期間を含めた勤続年数に相当する退職金からすでに支給された退職金を差し引いた残りを支給する義務があります(大法院2005年2月25日宣告、2004ダ34790判決)。
外国人労働者が再入国した場合の継続勤務期間計算方法
- 「継続勤務期間」とは同じ雇用主と継続的に使用従属関係を維持しながら労務を提供することをいい、雇用主の承認を得て一時的に休職状態にあるときもこれに含まれます(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」48-49面参照)。
· 出国前に事業主が労働者を雇用し続けることを前提条件として「再入国就業活動申告書」を作成し、使用従属関係を維持しながら雇用主の承認を得て労働者が一定期間出国した後、再入国して勤務を続けたのであれば、継続勤務期間に含まれます。
· ただし、労使当事者間に実際の労務提供がなくなる「自主出国」の期間については、自主出国の時点で労働関係が終了し、再入国して仕事を始める時点から労働関係が新しく始まると決めたのであれば、それに従って判断しなければなりません。
職種を変更した場合の継続勤務期間計算方法
- 同じ事業場で初めは日雇いとして働き、のちに正社員または技能職に任用されて継続勤務した労働者の退職金計算上の継続勤務年数を判断するには、具体的な事実関係を総合的に考慮しなければなりません(雇用労働部「労働者退職給付保障法質疑応答集」49-50面参照)。
· 労働者が自発的に日雇いを辞める意思表示を行ってこれを受理され、その後で正社員または技能職として働くために試験を受けるなどの任用手続きを経たのであれば、労働関係は有効に断絶したとみることができます。
· ただし、日雇いの雇用関係を維持したまま特別採用手続きを踏んで採用が確定した後、日雇いの退職届を提出して正社員または技能職として採用されたのであれば、日雇いから正社員または技能職に職種変更したにすぎないため、労働関係が有効に断絶したとみることはできません。
※ 事案別継続勤務期間計算方法の詳細は「労働者退職給付保障法質疑応答集」を参照するか、または雇用労働部(http://www.moel.go.kr、☏1350)にお問い合わせください。