妊娠中の労働時間短縮
労働時間の短縮
- 使用者は、妊娠後12週間以内または36週間以降の女性労働者が1日2時間の労働時間短縮を申請する場合、これを許可しなければなりません。ただし、1日の労働時間が8時間未満の労働者に対しては、1日の労働時間が6時間になるように労働時間の短縮を許可することができます(「勤労基準法」第74条第7項)。
※ これに違反して当該労働者の労働時間短縮を許可しない場合は、500万ウォン以下の過料が科されます(「勤労基準法」第116条第2項第2号)。
- 女性労働者が妊娠中の労働時間短縮を申請するには、労働時間短縮開始予定日の3日前までに妊娠期間、労働時間短縮開始予定日及び終了予定日、勤務開始時刻及び終了時刻などを書いた文書(電子文書を含む)に医師の診断書(同じ妊娠について労働時間の短縮を再度申請する場合は除く)を添付の上、使用者に提出しなければなりません(「勤労基準法施行令」第43条の2)。
妊娠中における労働時間の変更
労働時間の変更
- 使用者は、妊娠中の女性労働者が1日の所定の労働時間を維持し、業務の開始および終了時刻の変更を申請する場合には、これを許可しなければなりません(「勤労基準法」第74条第9項本文)。
※ これに違反して当該労働者の労働時間の変更を許可しない場合には、500万ウォン以下の過料が科せられます(「勤労基準法」第116条第2項第2号)。
- 業務の開始及び終了時刻の変更を申請しようとする女性労働者は、その変更予定日の3日前までに、妊娠期間、業務の開始及び終了時刻の変更予定期間、業務の開始及び終了時刻などを記した文書(電子文書を含む)に妊娠の事実を証明する医師の診断書(同じ妊娠に対し、業務の開始及び終了時刻の変更を再度申請する場合は除く)を添付し、使用者に提出しなければなりません(「勤労基準法施行令」第43条の3第1項)。
- ただし、使用者は業務の開始及び終了時刻の変更により、正常な事業運営に重大な支障をきたす場合、及び業務の開始及び終了時刻を変更すると、妊娠中の女性労働者の安全と健康に関する関係法令に違反する場合には、許可しないことがあります(「勤労基準法」第74条第9項ただし書き、「勤労基準法施行令」第43条の3第2項)。
育児期の労働時間短縮
育児期における労働時間短縮の対象
- 事業主は、労働者が満8歳以下または小学校2年生以下の子ども(養子縁組の子を含む)を養育するために労働時間の短縮を申請する場合、これを許可しなければなりません(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条の2第1項)
短縮後の労働時間
- 事業主が当該労働者に育児期の労働時間短縮を許可する場合、短縮後の労働時間は週15時間以上でなければならず、35時間を超えてはなりません(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条の2第3項)。
- 育児期における労働時間短縮期間は、1年以内としますが、育児休業を申請することができる労働者が、育児休業期間中に使用していない期間があれば、その期間を加算した期間以内にします(「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律」第19条の2第4項)。
労働時間短縮の使用方法
- 労働者は育児期の労働時間短縮を分けて使用することができます。この場合、分けて使用する1回の期間は3ヶ月(労働契約期間の満了により3ヶ月以上労働時間短縮を使用することができない期間制労働者については、残りの労働契約期間をいう)以上が必要です(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条の4第2項)。
労働時間短縮給付
- 支給対象
・ 育児期の労働時間短縮給付は、育児期の労働時間短縮を30日(産前産後休業期間と重複する期間は除く)以上実施した被保険者の中で育児期の労働時間短縮開始日前の被保険単位期間が合算して180日以上の被保険者に支給します(「雇用保険法」第73条の2第1項)。
- 申請時期
・ 育児期の労働時間短縮給付を受けるには、育児期の労働時間短縮開始日以降1ヶ月から終了日以降12ヶ月以内に申請しなければなりません(「雇用保険法」第73条の2第2項本文)。
・ ただし、同じ期間に以下のような事由により育児期の労働時間短縮給付を申請できなかった人は、その事由が終わってから30日以内に申請しなければなりません(「雇用保険法」第73条の2第2項ただし書き、「雇用保険法施行令」第94条)。
√ 天災地変
√ 本人や配偶者の疾病・負傷
√ 本人や配偶者の直系尊属及び直系卑属の疾病・負傷
√ 「兵役法」による義務服務
√ 犯罪の疑いによる拘束や刑の執行
- 労働時間短縮給付の支給額
・ 育児期の労働時間短縮給付の支給額は、以下の計算式によって定めます(「雇用保険法施行令」第104条の2第2項)。
(毎週最初の5時間の短縮分)育児期の労働時間短縮開始日を基準として「勤労基準法」により算出した月の通常賃金に相当する金額
(上限額を200万ウォン、下限額を50万円とする)
×
5/短縮前の所定労働時間
(残りの労働時間短縮分)育児期の労働時間短縮開始日を基準として「勤労基準法」により算出した月の通常賃金の100分の80に相当する金額
(上限額を150万ウォン、下限額を50万ウォンとする)
×
短縮前の所定労働時間ㅡ短縮後の所定労働時間-5/短縮前の所定労働時間
※ ただし、育児期の労働時間短縮給付の支給対象期間が1ヶ月に満たない場合は、上記の計算式によって算出された金額をその月の日数で除して算出した金額に、その月に育児期の労働時間短縮を使用した日数を乗じて計算します(「雇用保険法施行令」第104条の2第2項ただし書き)。
- 給付の減額
・ 雇用労働部長官は、被保険者が育児期の労働時間短縮期間中に毎月単位で雇用主から支給を受けた金品(賃金及び育児期の労働時間短縮を理由に支給された金品)と育児期の労働時間短縮給付を合わせた金額が、以下の区分による通常賃金を超過する場合には、その超過額を育児期の労働時間短縮給付から差し引いて支給します(「雇用保険法施行令」第104条の4)。
1. 育児期の労働時間短縮期間中に通常賃金の引き上げがない場合:育児期の労働時間短縮開始日の直前月を基準にした月通常賃金
2. 育児期の労働時間短縮期間中に通常賃金が引き上げられた場合:以下の区分による通常賃金
√ 通常賃金が引き上げられた日の前日まで:育児期の労働時間短縮開始日の直前月を基準にした月通常賃金
√ 通常賃金が引き上げられた日以降:通常賃金が引き上げられた日を基準にした月通常賃金
原職復帰などの保障
産前産後休業または育児休業後の復帰の保障
- 労働者が出産または育児を理由に取得した休業などが終了して復職する場合は、休業などを 取得する前より不利な取扱いを受けないように法で保護されます。具体的に事業主は、労働者の産前産後休業、育児休業または育児期の労働時間短縮期間が終わった後、当該労働者を従前と同じ業務または同じ水準の賃金を支払う職務に復帰させなければなりません(「勤労基準法」第74条第6項、「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条第4項及び第19条の2第6項)。
※ これに違反した事業主は、500万ウォン以下の罰金に処せられます(「勤労基準法」第114条第1号及び「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第37条第4項第4号・第5号)。
その他育児支援のための措置
事業主の育児支援
- 事業主は、満8歳以下または小学校2年生以下の子を養育する労働者の育児を支援するために、以下のいずれかに該当する措置をとるように努力しなければなりません(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条の5第1項)。
・ 業務開始・終了時間の調整
・ 延長労働の制限
・労働時間の短縮、柔軟な運営など労働時間の調整
・ その他、所属労働者の育児を支援するために必要な措置