育児休業
育児休業制度
- 育児休業制度は、労働者が被雇用者の身分を維持しながら、子の養育のために一定期間仕事を休めるようにする制度です。
育児休業の対象
- 事業主は、妊娠中の女性の労働者が母性を保護し、労働者が満8歳以下、または小学校2年生以下の子(養子縁組の子を含む)を養育するために休業(以下、「育児休業」という。)を申請する場合、これを許可しなければなりません(「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律」第19条第1項本文)。
- ただし、育児休業を開始しようとする日(以下、「休業開始予定日」という)の前日まで当該企業で勤続期間が6ヶ月未満の労働者が申請した場合には、事業主は育児休業を許可しないことがあります(「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律」第19条第1項ただし書及び「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律施行令」第10条)。
育児休業の申請
- 労働者が育児休業を申請するには、休業開始予定日の30日前までに以下の事項を申請書に記入の上、事業主に提出しなければなりません(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律施行令」第11条第1項)。
· 申請人の氏名・生年月日等の個人情報
· 育児休業の対象である乳幼児の氏名・生年月日(妊娠中の女性労働者が育児休業を申請する場合には、乳幼児の氏名を記さず、生年月日の代わりに出産予定日を記さなければならない。)
・ 休業開始予定日
・ 育児休業終了予定日
・ 育児休業の申請年月日
- 以下のいずれかに該当する場合は、休業開始予定日の7日前までに育児休業を申請することができます(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律施行令」第11条第2項)。
· 妊娠中の女性労働者に流産または死産のリスクがある場合
・ 予定日より早く出産した場合
・ 配偶者の死亡、負傷、病気または身体的・精神的障害や配偶者との離婚などで当該乳幼児を養育するのが困難な場合
育児休業の期間及び分割使用
- 育児休業の期間は1年以内とし、勤続期間に含まれます(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条第2項及び第19条第4項後段)。
- 労働者は育児休業を2回に限り、分割して使用することができます。この場合、妊娠中の女性労働者が母性の保護のために育児休業を使用した回数は、育児休業を分割して使用した回数に含まれません(「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律」第19条の4第1項)。
育児休業を理由とする不利益取扱いの禁止
- 事業主は、育児休業を理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならず、育児休業期間中はその労働者を解雇することができません。ただし、事業を続けられない場合はその限りではありません(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条第3項)。
育児休業後の復職
- 事業主は、育児休業を終えた後は休業前と同じ業務または同じ水準の賃金を支払う職務に復帰させなければなりません(「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条第4項前段)。
育児休業給付の支給
支給対象
- 雇用労働部長官は、育児休業を30日(産前産後休業期間と重複する期間は除く)以上付与された雇用保険被保険者の中で育児休業の開始日前の被保険単位期間が合算して180日以上の被保険者に育児休業給付を支給します(「雇用保険法」第70条第1項)。
※ 育児休業給付金を受け取ろうとする人は、育児休業の開始日以降1ヶ月から育児休業の終了予定日以降12カ月以内に申請しなければなりません。ただし、同じ期間に以下のような事由により育児休業給付を申請できなかった人は、その事由が終わってから30日以内に申請しなければなりません(「雇用保険法」第70条第2項及び「雇用保険法施行令」第94条)。
√ 天災地変
√ 本人や配偶者の疾病・負傷
√ 本人や配偶者の直系尊属及び直系卑属の疾病・負傷
√ 「兵役法」による義務服務
√ 犯罪の疑いによる拘束や刑の執行
※ 被保険者が育児休業給付金の支給申請をした場合、育児休業期間中に転職し、又は「雇用保険法施行規則」第116条に定める基準に該当する就業をした事実がある場合は、当該申請書にその事実を記載しなければなりません(「雇用保険法」第70条第3項)。
育児休業給付の支給額
- 育児休業給付は、育児休業開始日を基準とした月の通常賃金の100分の80に相当する金額を給付金の月額とします。ただし、当該金額が150万ウォンを超える場合は150万ウォンとし、当該金額が70万ウォンより少ない場合は70万ウォンとします(「雇用保険法施行令」第95条第1項)。
- 育児休業の4ヶ月目から育児休業の終了日まで:育児休業の開始日を基準にした月通常賃金の100分の50に相当する金額(ただし、当該金額が120万ウォンを超える場合は120万ウォンとし、当該金額が70万ウォンより少ない場合は70万ウォンとする)
- 育児休業給付の支給対象期間が1ヶ月に満たない場合は、月別支給額を当該月に休業した日数に比例して計算した金額を支給します(「雇用保険法施行令」第95条第3項)。
- 育児休業給付の100分の75に相当する金額(以下のいずれかに該当する場合には、以下の区分に応じた金額をいう)を毎月支払い、その残りの金額は、育児休業終了後、当該事業場に復帰して6ヶ月以上継続勤務した場合、合算して一括で支払います。ただし、「雇用保険法」第58条第2号ハ目による正当な事由により6ヶ月以上継続勤務できない場合にも、残りの金額を支払います(「雇用保険法施行令」第95条第4項)。
・ 育児休業給付の100分の75に相当する金額が上記による最低支給額より少ない場合:上記の区分による最低支給額
・ 日割計算によって育児休業給付を支給する場合であって、育児休業給付の100分の75に相当する金額が上記による最低支給額の日割計算額より少ない場合:上記の区分による最低支給額の日割計算額
- 2022年12月31日まで、同じ子に対して被保険者である両親が順次育児休業をする場合、2回目の育児休業をした被保険者に支給する育児休業給付金の月額は、次の区分に従って算定した金額とします(「雇用保険法施行令」第95条の2第1項)。
· 育児休業の開始日から3ヶ月まで:育児休業の開始日を基準とした月の通常賃金に該当する金額(ただし、当該金額が250万ウォンを超える場合には250万ウォンとし、当該金額が70万ウォンより少ない場合には70万ウォンとする)。
· 育児休業の4ヶ月目から育児休業の終了日まで:育児休業の開始日を基準とした月の通常賃金の100分の50に該当する金額(ただし、当該金額が120万ウォンを超える場合には120万ウォンとし、当該金額が70万ウォンより少ない場合には70万ウォンとする)。
※ この場合、「雇用保険法施行令」第95条第4項にもかかわらず、育児休業給付金の月額の全額が毎月給付されます(「雇用保険法施行令」第95条の2第4項)。
※ 同じ子に対し、両親の育児休業期間が重なる場合には、その期間中の育児休業給付金については、「雇用保険法施行令」第95条第1項が適用されます(「雇用保険法施行令」第95条の2第2項)。
- 同じ子に対し、子どもの出生後12ヶ月になるまで被保険者である両親とも育児休業をする場合、その両親である被保険者の育児休業給付金の月額は、次の区分に従って算定した金額とします(「雇用保険法施行令」第95条の3第1項)。
· 育児休業の開始日から3ヶ月まで:育児休業の開始日を基準とした各被保険者の月の通常賃金に該当する金額。この場合、その給付金の月額の上限額は次の各目の区分に従い、その給付金の月額の下限額は両親それぞれに対し、70万ウォンとします。
√ 両親が育児休業を使用した期間がそれぞれ1ヶ月の場合:両親それぞれに対し、月200万ウォン
√ 両親が育児休業を使用した期間がそれぞれ2ヶ月の場合:両親それぞれに対し、最初の月は200万ウォン、翌月は250万ウォン
√ 両親が育児休業を使用した期間がそれぞれ3ヶ月の場合:両親それぞれに対し、最初の月は200万ウォン、翌月は250万ウォン、翌々月は300万ウォン
· 育児休業の4ヶ月目から育児休業終了日まで:育児休業の開始日を基準とした各被保険者の月の通常賃金の100分の80に該当する金額。ただし、当該金額が150万ウォンを超える場合には150万ウォンとし、当該金額が70万ウォンより少ない場合には70万ウォンとします。
※ この場合、「雇用保険法施行令」第95条第4項にもかかわらず、育児休業の給付金の月額すべてが、毎月給付されます(「雇用保険法施行令」第95条の3第4項)。
給付の減額
- 雇用労働部長官は、被保険者が事業主から育児休業を理由に金品を支給され、毎月単位で育児休業期間中に支給された金品と次の区分による金額の合計額が育児休業開始日を基準とした月通常賃金より多い場合には、その超過額を次の各号の区分による金額から差し引いて支給します(「雇用保険法」第73条第3項及び「雇用保険法施行令」第98条)。
・「雇用保険法施行令」第95条第1項、第95条の2第1項第2号又は第95条の3第1項第2号・第3項第2号による育児休業給与(「雇用保険法施行令」第95条第3項を適用し、日数に比例して計算した給与を含む)の場合:育児休業給付の100分の75に相当する金額(ただし、その金額が「雇用保険法施行令」第95条第1項ただし書き、第95条の2第1項第2号ただし書き、第95条の3第1項第2号ただし書き又は第95条の3第3項第2号ただし書きによる最小給付額より少ない場合には、その最小給付額とする)。
・「雇用保険法施行令」第95条の2第1項第1号、第95条の3第1項第1号又は第95条の3第3項第1号による育児休業給付金(「雇用保険法施行令」第95条第3項を適用し、日数に比例して計算した育児休業給付金を含む)の場合:育児休業給付金の100分の100に該当する金額
育児休業給付の支給制限
- 育児休業給付を受ける人がその期間中に離職または新たに就職した場合、その離職または就職日から育児休業給付は支給されません(「雇用保険法」第73条第1項)。
- 育児休業給付を受ける者が、その期間中に離職し、または新たに就職した場合には、その離職、または就業日から育児休業給付を支払いません(「雇用保険法」第73条第1項)。
- 被保険者が育児休業期間中に「雇用保険法」第70条第3項の規定により就業した場合、その就職した期間については育児休職給付は支給されません(「雇用保険法」第73条第4項)。
- ただし、その給付に係る育児休業の後、新たに育児休業給付の要件を満たす場合、その新たな要件による育児休業給付についてはその限りではありません(「雇用保険法」第73条第4項ただし書き)。
- 育児休業期間中に就業した事実を記載せず、または嘘の記載で育児休業給付金を受け取ったり、または受けようとしたりした人には、違反の回数などを考慮し、「雇用保険法施行規則」第118条の2の定めるところにより支給が制限される育児休業給付の範囲を別に定めることがあります(「雇用保険法」第73条第5項)。