特別延長給付
特別延長給付とは
- 「特別延長給付」とは、失業の急増など一定の事由が発生した場合に、受給資格者が失業認定を受けた日について所定給付日数を超えて受けられる延長された求職給付のことをいいます(「雇用保険法」第53条第1項)。
特別延長給付の受給
特別延長給付の受給事由
- 以下の事由が発生した場合は、特別延長給付を受けることができます(「雇用保険法」第53条第1項本文及び「雇用保険法施行令」第74条)。
· 毎月の求職給付受給者数(訓練延長給付、個別延長給付または特別延長給付の受給者数は除く)を当該月末日の被保険者数で除して求めた割合が、3ヶ月連続でそれぞれ100分の3を超える場合
· 毎月の受給資格申請率が3ヶ月連続で100分の1を超える場合(そのような状況が続くと予想される場合に限る)
· 毎月の失業率が3ヶ月連続で100分の6を超える場合(そのような状況が続くと予想される場合に限る)
· 失業の急増などによる雇用情勢の急激な悪化を受け、雇用政策審議会で特別延長給付の支給が必要であると議決した場合
※「被保険者」とは、以下に該当する者のことをいいます(「雇用保険法」第2条第1号)。
· 「雇用保険及び産業災害補償保険の保険料徴収等に関する法律」第5条第1項・第2項、第6条第1項、第8条第1項・第2項、第48条の2第1項及び第48条の3第1項により保険に加入し、または加入したとみなされる労働者、芸術家、または労務提供者
· 「雇用保険及び産業災害補償保険の保険料徴収等に関する法律」第49条の2第1項・第2項により雇用保険に加入し、または加入したとみなされる自営業者
特別延長給付の除外対象
- ただし、離職後の生活の安定のために一定基準以上の所得がある受給資格者など、以下のいずれかに該当する受給資格者は、特別延長給付の対象から除外されます(「雇用保険法」第53条第1項ただし書き及び「雇用保険法施行規則」第97条)。
· 離職当時に支給された金品の名称が何であれ、給付基礎賃金日額上限額の24ヶ月分(730日分)以上の金品を支給された受給資格者
· 失業者の就職訓練手当が特別延長給付額を超えるなどの事由により、特別延長給付を受けようとしない受給資格者
特別延長給付の受給期間
- 特別延長給付は、60日の範囲で受けることができます(「雇用保険法」第53条第1項)。
- 特別延長給付を受ける場合の受給期間は、その受給資格者の本来の受給期間に延長される求職給付日数を加えた期間とします(「雇用保険法」第54条第1項)。
特別延長給付の求職給付日額
- 特別延長給付の求職給付日額は、当該受給資格者の求職給付日額に100分の70を乗じた金額とします(「雇用保険法」第54条第2項)。
- 算定された求職給付日額が最低求職給付日額より少ない場合は、最低求職給付日額をその受給資格者の求職給付日額とします(「雇用保険法」第54条第3項)。
特別延長給付の受給方法
- 雇用センターの長は、特別延長給付を支給する場合、あらかじめ受給資格者にその事実を知らせ、当該給付を支給するための失業認定日などを受給資格証に記載しなければなりません(「雇用保険法施行規則」第96条)。
特別延長給付受給の調整
特別延長給付の相互調整
- 特別延長給付は、その受給資格者が受給できる求職給付の支給が終わった後に支給されます(「雇用保険法」第55条第1項)。
- 特別延長給付を受けている受給資格者が訓練延長給付を受けることになった場合、特別延長給付は支給されません(「雇用保険法」第55条第3項)。
- 個別延長給付を受けている受給資格者に対しては、個別延長給付の支給が終わった後でなければ特別延長給付は支給されません(「雇用保険法」第55条第4項)。