強制競売の概念
「強制競売」とは、不動産に対する強制執行方法の1つであり、法院が債務者の不動産を差押・売却し、その代金をもって債権者の金銭債権の満足に充当する手続きのことをいいます(「民事執行法」第78条)。
※ 強制執行とは、債権者の申請により債務名義に表示された私法上の履行請求権を国家権力により強制的に実現する法的手続きのことをいいます。
強制競売の申請
不動産に対する強制競売は、①強制競売の申請、②強制競売開始の決定、③配当要求の終期決定及び公告、④売却の準備、⑤売却期日及び売却決定期日等の指定・公告・通知、⑥売却の実施、⑦売却決定の手続き、⑧売却代金の納付、⑨配当手続き、⑩所有権移転登記と引渡し、この順で行われます。
- 強制競売の申請
· 賃借人は以下の事項を記した強制競売申請書を不動産の所在する地方法院に提出します(「民事執行法」第79条第1項及び第80条)。
1. 債権者・債務者と法院の表示
2. 不動産の表示
3. 競売の理由となった一定の債権と執行できる一定の債務名義
· 強制競売申請書には執行力のある債務名義の正本と債務者の所有として登記された不動産の登記事項証明書を提出しなければなりません(「民事執行法」第81条第1項)。