当事者の合意による賃貸借契約の更新
合意による契約更新
- 賃貸借の満了期間にあたって、賃貸人と賃借人は賃貸借契約の条件を変更するか、その期間を変更する等、契約条件を変更して合意更新するか、従来の賃貸借と同一の契約条件で合意更新することができます。
合意更新の効果
- 合意更新の効果は、合意の内容により定められます。
- 賃貸借契約の条件を変更する合意更新の場合、変更内容について前の賃貸借と利害関係のある第三者に対抗することはできません。また、賃借保証金を増額する場合、これに対する確定日付の付与を受けないときには、後順位権利者に対して優先弁済権を取得することができません。
「住宅賃貸借保護法」に基づく黙示の更新
黙示の更新要件:更新の拒絶または契約条件変更の未通知
- 賃貸人が賃貸借期間の終わる6か月前から2か月(2020年12月10日以降に初めて締結され、あるいは更新された賃貸借から適用)前までの期間に、賃借人に対して更新拒否の通知をしないか、もしくは契約条件を変更しなければ更新しないという旨の通知をしない場合は、その期間が終わった時に前の賃貸借と同一条件で再び賃貸借したものとみなします。賃借人が賃貸借期間の終わる2か月前までにそのような通知をしなかった場合も同じです(「住宅賃貸借保護法」第6条第1項及び附則<法律第17363号、2020年6月9日>第2条)。
- 賃借人が2期の借賃額に達するまで延滞したかその他賃借人としての義務に著しく違反した場合、黙示の更新を行うことはできません(「住宅賃貸借保護法」第6条第3項)。
黙示の更新の効果
- 住宅賃貸借契約が黙示的に更新されれば、従来の賃貸借と同一条件で再び賃貸借したものとみなされます(「住宅賃貸借保護法」第6条第1項前段)。
- 住宅賃貸借契約が黙示的に更新されれば、賃貸借の存続期間は2年となります(「住宅賃貸借保護法」第4条第1項及び第6条第2項)。
黙示的に更新された賃貸借契約の解約
- 住宅賃貸借契約が黙示的に更新された場合、賃借人はいつでも更新された賃貸借契約を解約することができ、2年の賃貸借期間を主張することも可能です(「住宅賃貸借保護法」第4条第1項及び第6条の2第1項)。
- 賃借人が賃貸借契約を解約する場合は、賃貸人が通知を受けた日より3か月が過ぎると、その効力が発生します(「住宅賃貸借保護法」第6条の2第2項)。
「住宅賃貸借保護法」による契約更新要求
契約更新要求権
- 上記の「住宅賃貸借保護法」に基づく黙示の更新の規定にかかわらず、賃貸人は、賃借人が賃貸借期間が終了する6ヶ月前から2ヶ月(2020年12月10日以後に初めて締結され、または更新された賃貸借から適用される)前までに契約更新を求める場合、正当な事由なく拒否してはなりません(「住宅賃貸借保護法」第6条の3第1項本文、第6条第1項前段及び附則<法律第17363号、2020年6月9日>第2条)。賃借人は、契約更新要求権を1回に限り行使することができ、更新された賃貸借の存続期間は2年とします(「住宅賃貸借保護法」第6条の3第2項)。