賃借権譲渡の制限
賃借権譲渡の制限
- 賃借権の譲渡は賃借人(譲渡人)と譲受人との間の契約のみで有効に成立しますが、賃借人は賃貸人の同意なく賃借権を譲渡できないよう制限されており、賃貸人は自らの同意なく賃借権を譲渡した場合、賃貸借契約を解約できます(「民法」第629条)。
賃貸人の同意のある賃借権の譲渡
譲渡の効果
- 賃借権が賃貸人の同意のもとで譲渡された場合、賃借人が賃貸借契約により保有する権利と義務は包括的に譲受人に移転されます。
対抗力及び優先弁済権の取得
- 賃借権の譲受人は、賃借権の譲渡人が対抗力を備えた後に抵当権を設定したり、または所有権の移転を受ける等した第三者に対して対抗することができます。
賃貸人の同意のない賃借権の譲渡
賃借人(譲渡人)と譲受人との間の法律関係
- 賃借権の譲渡契約は当該人どうしの間で有効に成立し、譲渡人は譲受人のために賃貸人の同意を受ける義務が生じます(大法院1986. 2. 25. 宣告85ダカ1812判決及び大法院1996. 6. 14. 宣告94ダ41003判決)。
賃貸人と賃借人との間の法律関係(解約権の発生)
- 賃貸人は無断譲渡を理由に賃借人との契約を解約することができます(「民法」第629条第2項)。
賃貸人と譲受人との間の法律関係(対抗力取得の有無)
- 賃貸人の同意のない賃借権の譲渡は、賃貸人にその効力を主張することができないため、譲受人が賃借住宅を占有する際には賃貸人に対する関係においては不法占有となり、賃貸人は所有権に基づきその返還を請求することができます(「民法」第213条及び第214条)。