障害給付の意義
障害給付の意義
- 「障害給付」とは、労働者が業務上の事由により怪我を負い、または病気になって治癒した後、身体などに障害がある場合、その労働者に支給する保険給付のことをいいます(「産業災害補償保険法」第57条第1項)。
障害給付の支給要件
障害給付の支給要件
- 障害給付は労働者が業務上の事由により怪我を負い、または病気になって治癒した後、身体などに障害がある場合、その労働者に支給します(「産業災害補償保険法」第57条第1項)。
- 「治癒」とは、怪我または疾病が完治し、または治療の効果をそれ以上期待できず、その症状が固定した状態に達したことをいいます(「産業災害補償保険法」第5条第4号)。
- 「障害」とは、怪我または疾病が治癒されていても、精神的または肉体的損傷により労働能力を喪失し、または減少した状態のことをいいます(「産業災害補償保険法」第5条第5号)。
障害給付の請求
障害給付の請求
- 業務上の災害を被った労働者が治癒した後、障害補償一時金、または障害補償年金を支給されるためには、障害給付請求書に障害診断書、放射線検査資料、診療記録など、障害の状態が確認できる書類を添え、勤労福祉公団に提出しなければなりません[「産業災害補償保険法」第36条第2項、「産業災害補償保険法施行令」第21条第1項第2号、「産業災害補償保険法施行規則」第79条、「補償業務処理規定」 第17条第1項、別紙第11号書式及び別紙第12号書式]。
障害等級の判定
障害等級の判定
- 障害等級の基準は、第1級から第14級までの14段階の等級があります(産業災害補償保険法」第57条第2項、「産業災害補償保険法施行令」第53条第1項及び別表6)。
- 障害等級の基準に該当する障害が2つ以上ある場合、そのうち程度の激しい障害に該当する障害等級をその労働者の障害等級とします。ただし、障害系列の異なる第13級以上の障害が2つ以上ある場合、障害等級を調整します(「産業災害補償保険法施行令」第53条第2項)。
障害給付の支給
障害給付の支給
- 障害給付は受給権者の選択に基づき、障害給付表に基づく障害補償年金または障害補償一時金として支給されます(「産業災害補償保険法」第57条第2項・第3項本文及び別表2)。
- すでに障害のある者が、業務上の怪我または疾病により同障害部分の障害の程度が強くなった場合は、加重障害に該当する障害補償一時金(障害補償年金)の支給日数から、既存障害に該当する障害補償一時金(障害補償年金)の支給日数を引いた金額に、給付請求事由が発生した当時(年金支給当時)の平均賃金をかけて算定した金額を支給します(「産業災害補償保険法施行令」第53条第4項)。
- 勤労福祉公団は障害補償年金の受給権者のうち、その障害状態が好転または悪化し、治癒当時に決定された障害等級が変更される可能性のある者に対しては、その受給権者の申請または職権により障害等級を再判定し、その変更した障害等級に基づいて障害給付を支給することができます(「産業災害補償保険法」第59条第1項・第2項)。
- 再療養を受けて治癒した後、障害状態が従来に比べて好転または悪化した場合、その好転または悪化した障害状態に該当する障害等級に基づいて障害給付を支給します(「産業災害補償保険法」第60条第2項前段)。